精算表とは何ですか?
精算表に関しては、前回学習しました。
日商簿記3級:精算表について
前回は、精算表の基本的なルールを説明しましたが、今回は、精算表の各項目への記入方法を説明します。
精算表への記入方法
試算表欄への記入
まずはこの試算表欄への記入から始まります。
試算表については、以前に学習しましたが、覚えていますか?
日商簿記3級:試算表について
この試算表は、決算整理を行う前の情報です。
まずはこの試算表を元に、精算表の試算表欄へ記入していきます。
ここは試算表どおりに転写するだけですので、深くは説明しません。
記入後は、試算表欄の貸方・借方の合計金額が一致する事を確認してください。
修正記入欄への記入
そして、決算整理の仕訳を行った後、その結果を修正記入欄へ記入していきます。
ここは試験でもよく問われるところなので、しっかり理解しておきましょう。
決算時の仕訳は何通りか説明しましたね。
例えば、売上原価の算定での仕訳が以下のようになっているとします。
(借)仕入 3,000 (貸)繰越商品 3,000
繰越商品 4,000 仕入 4,000
上の仕訳はどういう意味だかわかりますか?
期首の繰越商品が3,000円で、期末の繰越商品が4,000円だという事です。
これを精算表へ記入すると、以下のようになります。
修正記入欄へ、上記の仕訳どおりに金額を記入し、試算表欄の金額からその修正分を足したり引いたりした金額を、右側の損益計算書欄もしくは貸借対照表欄へ記入していきます。
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上で例に上げた他に、減価償却費の計算や費用・収益の繰延べ、見越しの場合も、同じように修正記入欄へ金額を記入し、試算表欄の金額からその修正分を足したり引いたりした金額を、右側の損益計算書欄もしくは貸借対照表欄へ記入していきます。
試算表の時点では存在せず、決算整理で新しく出た勘定科目は、どんどん下に追加していきます。
修正記入欄を記入後は、修正記入欄の貸方・借方の合計金額が一致する事を確認してください。
当期純利益または純損失の記入
修正記入欄、損益計算書欄、貸借対照表欄へ金額の記入が全て終わったら、次は当期純利益または純損失の計算です。
損益計算書欄の借方、貸方の合計金額を求めます。
このとき、借方と貸方で差があるはずです。(無いこともあるとは思いますが、おそらく試験ではそのような問題は出ないと思います。)
また、同じように貸借対照表欄の借方、貸方の合計金額を求めます。
このとき、借方と貸方で差があるはずです。
この両者の差額は、必ず同じ金額になります。
一致しなければ、どこかが間違っています。
以下の点も注意してください!
損益計算書欄において、借方の方が少ないときは、貸借対照表欄では貸方の方が少ないはずです。
また、損益計算書欄において、貸方の方が少ないときは、貸借対照表欄では借方の方が少ないはずです。
上記のようにならなかったら、どこかが間違っています。
損益計算書欄、貸借対照表欄の少ない側に、差額の金額を記入します。
そうする事で、借方、貸方の合計金額が一致します。
この差額を記入した行の勘定科目へは、損益計算書欄の借方、貸借対照表欄の貸方側へ金額を入れた場合は当期純利益、逆の場合は当期純損失という勘定科目を記入します。
以下のようなイメージです。
これで金額が一致する事が確認できたら、精算表を締め切って終わりとなります。
この精算表の項目は、かなり重要です!
練習問題をできる限りこなして、しっかり理解してください。
次は、「日商簿記3級:精算表について 練習問題1」です。
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