前回の「日商簿記3級:固定資産の減価償却について1」の学習の続きです。
今回は、既に減価償却を行っている固定資産を売却した場合はどうなるのか、という点について説明したいと思います。
ちなみに、一度も減価償却を行っていない固定資産を売却するときは、あまり深く考える必要はありません。
忘れている方は、以下の記事を読んでください。
日商簿記3級:固定資産について
減価償却を既に行っていて、減価償却累計額が存在している固定資産を売却したときは、その減価償却累計額も消滅します。
具体例をみていきましょう。
「取得原価100,000円、減価償却累計額30,000円の建物を75,000円で売却し、現金を受け取った。」という仕訳は以下のようになります。
(借)減価償却累計額 30,000 (貸)建物 100,000
現金 75,000 固定資産売却益 5,000
「建物」が減った⇒「資産」が減った⇒右側へ記入します。
「減価償却累計額」が減った⇒「負債」が減った⇒左側へ記入します。
「現金」が増えた⇒「資産」が増えた⇒左側へ記入します。
あとは帳尻を合せるようにしなければなりません。
今回のように、貸方の方の合計額が少ない場合は、売却した結果、利益を出したという事になります。
この場合は、固定資産売却益で処理します。
「固定資産売却益」が増えた⇒「収益」が増えた⇒右側へ記入します。
逆に、損していたら「固定資産売却損」で処理します。
これは以前学習した固定資産のときと同じです。
実際の問題では、減価償却費の計算で、月単位まで求められる場合があります。
例えば、100,000円の固定資産で、耐用年数5年、残存価額10,000円であれば、1年で18,000円の減価償却費が発生しますよね。
会計期間が1月1日から12月31日まで、という設定で、上記の固定資産を6月30日に売却したとしたら、1/1~6/30分の6ヶ月分の減価償却費は、売却時に処理しなければなりません。
この場合は、18,000 * 6 / 12 = 9,000円の減価償却費が発生するという事になります。
それほど難しい事は言っていませんので、練習問題をこなせば理解できると思います。
次は、「日商簿記3級:固定資産の減価償却について 練習問題1」です。
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