立替金、預り金とは何ですか?
立替金は、以前にも勘定科目で使った事がありますね。
覚えていますか?
立替金とは、本来は相手が負担するお金を、一旦こちら側で支払ったお金です。
預り金とは、文字通り預ったお金の事です。
このサイトをご覧頂いている皆さんは、社会人、学生さん、色々おられるかと思いますが、社会人であれば、お給料をもらいますね。
そのお給料から、所得税などのお金が控除されてあなたに支払われていると思います。
その所得税は、一旦、会社が、みなさんのお給料から預っておいて、そして後で会社から税金を支払ってくれています。
会社から見たとき、この所得税として引かれているお金は「預り金」になります。
立替金・預り金の仕訳の方法
「立替金」は以前にも一度出てきていますが、もう一度おさらいです。
「立替金」は、相手にお金を貸しているようなものですので、あとで返ってきます。
ですので、「資産」です。
「預り金」は、一旦預っているだけで、その後支払うお金なので、借金みたいなものです。
ですので、「負債」です。
立替金、預り金が絡む仕訳のパターンは、主に以下になります。
①お金を立て替えた。
②立て替えていたお金を受け取った。
③お金を預った。
④預っていたお金を支払った。
お金を立て替えたとき
「社員に給料の前払いとして、20,000円を現金で支払った。」という仕訳は以下のようになります。
(借) 立替金 20,000 (貸) 現金 20,000
「立替金」が増えた⇒「資産」が増えた⇒左側へ記入します。
「現金」が減った⇒「資産」が減った⇒右側へ記入します。
給料の前払いは、まだ「給料」ではないので、「立替金」として処理します。
立替金を返してもらったとき
先ほどの例として給料の前払いを例にしたので、今度は本当に支払う時期になったときを例にしてみます。
「従業員に対する給料は100,000円であるが、前払い分20,000円を差し引いて、現金で支払った。」という仕訳は以下のようになります。
(借) 給料 100,000 (貸) 立替金 20,000
現金 80,000
「給料」が増えた⇒「費用」が増えた⇒左側へ記入します。
「立替金」が減った⇒「資産」が減った⇒右側へ記入します。
「現金」が減った⇒「資産」が減った⇒右側へ記入します。
スポンサーリンク
お金を預ったとき
「給料総額100,000円のうち、源泉徴収税額4,000円を差し引いた額を現金で支給した。」という仕訳は以下のようになります。
(借) 給料 100,000 (貸) 預り金 4,000
現金 96,000
「給料」が増えた⇒「費用」が増えた⇒左側へ記入します。
「現金」が減った⇒「資産」が減った⇒右側へ記入します。
「預り金」が増えた⇒「負債」が増えた⇒右側へ記入します。
預っていたお金を支払ったとき
「預っていた源泉徴収額4,000円を現金で納付した。」という仕訳は以下のようになります。
(借) 預り金 4,000 (貸) 現金 4,000
「預り金」が減った⇒「負債」が減った⇒左側へ記入します。
「現金」が減った⇒「資産」が減った⇒右側へ記入します。
どうでしたか?
なお、税金関係は、会社の税金として支払う場合は、また別の仕訳になります。
今回のように、社員から預った税金か、会社として支払う税金かで仕訳が違ってきます。
それはまた今後学習します。
次は、「日商簿記3級:立替金・預り金について 練習問題」です。