貸倒引当金とは何ですか?
まず、「貸倒れ」について説明します。
よく聞く言葉ですよね。
貸した相手が倒産してしまった等、なんらかの理由によって貸したお金が返ってこなくなった、という事です。
売掛金や受取手形については、相手に貸しているお金です。
決算時点で、これが貸倒れそうな場合は、以下のような処理を行います。
貸倒れしそうな額を、貸倒引当金繰入という勘定科目を使って、「費用」として処理をしておきます。
そして、その相手側勘定科目として、貸倒引当金を使い、「負債」として処理します。
実際に貸し倒れた場合は、売掛金や受取手形を減らすのですが、まだ実際貸し倒れたわけではないので、上記の処理を行います。
貸倒引当金の仕訳の方法
それでは実際の貸倒引当金の仕訳の方法をみていきましょう。
「決算において、売掛金残高10,000円について、500円の貸倒れを見積もった。」という仕訳をみていきましょう。
以下のようになります。
(借)貸倒引当金繰入 500 (貸)貸倒引当金 500
実際に売掛金が貸し倒れたわけではないので、「売掛金」は減らしません。
「貸倒引当金繰入」が増えた⇒「費用」が増えた⇒左側へ記入します。
「貸倒引当金」が増えた⇒「負債」が増えた⇒右側へ記入します。
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本当に貸倒れた場合
先ほど、500円を貸倒引当金に充ててますね。
これが本当に貸し倒れたときの仕訳をみてみましょう。
以下のようになります。
(借)貸倒引当金 500 (貸)売掛金 500
貸倒引当金という負債がなくなる代わりに、本当に売掛金が減るんですね。
「貸倒引当金」が減った⇒「負債」が減った⇒左側へ記入します。
「売掛金」が減った⇒「資産」が減った⇒右側へ記入します。
予想外に貸倒れた場合
貸倒引当金に引き当てている額以上、もしくは貸倒引当金に全く引き当てていない状態でも貸し倒れてしまう事はあるでしょう。
「売掛金10,000円が貸し倒れた。なお、貸倒引当金残高は3,000円である。」という仕訳は以下のようになります。
(借)貸倒引当金 3,000 (貸)売掛金 10,000
貸倒損失 7,000
貸倒引当金以上の貸倒れは、「貸倒損失」という「費用」で処理します。
「貸倒損失」が増えた⇒「費用」が増えた⇒左側へ記入します。
「貸倒引当金」が減った⇒「負債」が減った⇒左側へ記入します。
「売掛金」が減った⇒「資産」が減った⇒右側へ記入します。
貸倒引当金については、もう少し説明しなければならない事がありますが、長くなるので次回の記事にて説明します。
貸倒引当金は、私が日商簿記3級で最も難しいのではないかと思っている項目です。
なにせ、貸倒引当金というものを使う理由がわからないので・・・。
実際に貸し倒れてから処理すりゃいいじゃんって思いませんか・・?
しかし重要な項目ですので、頑張って理解していきましょう。
次は、「日商簿記3級:貸倒引当金について2」です。